暗号資産じゃない!?日本円ステーブルコインJPYC(JPYCoin)の特徴

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はじめに

日本円のステーブルコインJPYCが日本暗号資産市場株式会社から発行されましたね。

1JPYC=1円となるステーブルコインです。

これまで日本国内における日本円ステーブルコインは同社が発行するICBだけで、一般には流通していなかったんです。

今回発行されたJPYCは一般でも購入できる日本円ステーブルコインということ調べてみました。

簡単にいうと、JPYCはERC20で動くプリペイドコインです。

法的には暗号資産には当たらないことになっています。

なかなか興味深いコインなので要点を絞ってまとめましたので参考になればと思います。

JPYCを購入する方法

まずJPYCをどうやって購入するのか気になりますよね。

購入には本人確認は不要で、誰でも購入することができます。

公式サイトから購入に使える決済方法は以下となっています(2021年1月28日現在)。

  • 銀行振込
  • ETH

クレジットカードやBTCは準備中となっていて、今後の対応が期待できそうです。

銀行振込の手順は3段階になっています。

  • フォームを入力
  • 指定の銀行口座に振込
  • JPYCを受け取る

フォームには、名前、メールアドレス、購入金額、受け取り用のETHアドレスを入力して送信します。

購入金額は、10,000 円、100,000 円、1,000,000 円の購入単価から選択可能。

振込先の銀行口座はGMOあおぞらネット銀行になっています。

月~金 10:00-19:00 であれば振込から最短で10分程度で送金完了するみたいです。

ただ、土日祝日の振込の場合は平日になるとのことで、ここは銀行っぽいですね。

ETH決済の時も銀行振込と同じように手順は3段階です。

  • フォームを入力
  • 指定のETHアドレスにETHを送金
  • JPYCを受け取る

フォームに、名前、メールアドレス、購入金額、ETHアドレスを入力して送信します。

メールアドレスに必要なETHの額が伝えられるので、フォームで伝えた自分のETHアドレスから、指定のETHアドレスへETH送付すると、ETHアドレスにJPYCが送金される仕組みです。

なお、受け取り用のETHアドレスは、MetaMaskなどのウォレットアドレスを入力することになります。

取引所の入金アドレスは対応していないので注意が必要です。

手数料

気になるのは手数料ですよね。

ETHでJPYCを購入した場合は、ガス代を負担することになります。

これ、今は結構高いです。

銀行振込だと振込手数料が別途かかりますが、楽天銀行のような振込手数料が無料のサービスを使う手はありですね。

なお、JPYCを受け取る際の手数料負担はかからないようです。

JPYCはERC20トークン

そもそも、JPYCは具体的にどのようなものかというと、イーサリアムブロックチェーンで動くERC20トークンです。

トークン:既存のブロックチェーン技術を利用して発行された仮想通貨(暗号資産)のこと

なので、仮想通貨ウォレットで保管することになります。

JPYCは前払式支払手段

JPYCの公式ページには「日本円ステーブルコイン」ってあるので仮想通貨だと思ったんですが、よくよく読んでみると、法的には仮想通貨ではないんです。

何かというと、「株式会社により発行される自家型前払式支払手段」とされています。

自家型前払式支払手段とは、簡単にいうと「商品券やカタログギフト券、磁気型やIC型のプリペイドカード、インターネット上で使えるプリペイドカード」です。

図書カードと同じ扱いになるんですね。

言うなれば、ERC20プリペイドコイン。

JPYCは払い戻しができない

JPYCは、1JPYC=1円で発行されるERCトークンなんですが、払い戻しができないシステムになっています。

ただ、Uniswapなどでは自由に利用できるので、「図書カードがフリマアプリで自由に売買される」のと同じイメージで取り扱うことができるんです。

本当にステーブルコイン?とういう指摘はありますね。

JPYCは暗号資産ではない

上記で紹介したようにJPYC は自家型前払式決済手段の形を取っているので、ETHと同じように取り扱えるけど、法的には暗号資産には該当しないことになっています。

中央集権型で、払い戻しできないシステムってのがミソなのかなぁ。

JPYCはUniswapで使える

非中央集権分散型取引所の UniswapでJPYCの流動性を供給することで、報酬を得ることができます。

イメージ的にはこんな感じです。

引用元:JPYCoin (JPYC)WhitePaper

JPYCはAmazonで使える

JPYCはAmazonと提携していて、1JPYC=1円として買い物に使えます。

Amazon以外のECサイトは「coming soon」となっているので、JPYCで決済できる買い物サイトが増えるかもしれませんね。

JPYCのインセンティブ提供プログラム

JPYCをUniswapなどの分散型取引所(DEX)に流動性提供すると、条件に応じて報酬をもらうことができます。

報酬はステーブルコインのUSDCで受け取ることになっています。

日本円の金利を米ドルで受け取る感じですね。

報酬を得るには、最低でも50,000JPYCをDEXに流動性を提供する必要があり、タイミングによって報酬が変わります。

  • フェーズ 1:DEX の JPYC 総額が 5,000 万円まで
  • フェーズ 2:フェーズ 1 終了から DEX の JPYC 総額が 2 億 5,000 万円まで
  • フェーズ 3:フェーズ 2 終了から DEX の JPYC 総額が 5 億円まで
  • フェーズ 4:フェーズ 3 終了から DEX の JPYC 総額が 25 億円まで
  • フェーズ 5:フェーズ 4 終了から DEX の JPYC 総額が 50 億円まで

JPYCのリスク

中央集権型なので発行会社の倒産リスクがあり、破産すると JPYC は使えなくなります。

最後に

JPYCはステーブルコインというより、ERC20プリペイドコインというのが正しい表現ですね。

利用方法としては、「ECサイトでの決済」、「DEXで他のトークンと交換」、「Uniswapなどで流通性供給して報酬を受ける」があります。

今後はJPYCが利用できるプ非中央集権分散型貸出のラットフォームが出てくるとJPYCで金利を得ることのできるようになる可能性があります。

個人的には現時点ですぐにJPYCを購入することはしないですが、ブロックチェーンの技術がより身近になるきっかけになるかもです。

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