はじめに
INTMAXは、Ethereumのスケーラビリティとプライバシーの課題を解決することを目指して開発された革新的なLayer 2プロジェクトです。
スイスのRyodan Systems AGによって開発が進められ、2023年には500万ドルのシードラウンドを完了し、2025年第1四半期のメインネットローンチを目指しています。
過去の記事では、INTMAXの簡単な説明とプライバシーマイニングのやり方を解説しました。
この記事ではINTMAXのより詳しい解説と、INTMAX Walletの作成方法を説明します。
Vitalik ButerinとINTMAXの関係
Ethereum創設者のVitalik Buterinは、2023年11月に公開した記事「Exit games for EVM validiums: the return of Plasma」において、INTMAXの技術的アプローチを高く評価しています。
特に、ゼロ知識証明技術を活用してPlasmaの課題を解決した点に着目し、これを「新しいPlasmaの時代の幕開け」と表現しました。
さらに2024年7月には、東京で開催されたPlasmaCon 2024でINTMAXを「業界のリーダーであり破壊的イノベーター」と評価。
Plasma NextとPlasma Freeプロトコルが、Ethereumのスケーラビリティ問題に対する重要な解決策になり得ると指摘しています
技術的革新
NTMAXの中核となる「Intmax2」アルゴリズムは、Vitalikが2017年に提案したPlasma技術の課題を解決する画期的な方法を提供しています。
従来のPlasmaでは、ユーザーが常にオンラインで監視を続ける必要があり、実用化の大きな障壁となっていました。
INTMAXは最新の暗号技術を組み合わせることで、この問題を巧妙に解決しました。
1回の取引に必要なデータをわずか5バイトまで削減し、1秒間に7,500件もの取引処理を可能にする技術は、Ethereumのスケーラビリティを劇的に向上させる可能性を秘めています。
さらに、ゼロ知識証明を活用したプライバシー保護機能は、企業での実用化に向けた重要な要素となっています。
INTMAXの主要な特徴
- ステートレスなzkRollupの実装により、データ保管の負担を最小限に抑える設計を実現
- ゼロ知識証明を活用したプライバシー保護機能の実装
- Plasmaの課題を解決し、高速な取引処理を可能にする設計
- Layer 1のセキュリティを維持しながらの拡張性の実現
INTMAXが解決する3つの課題
- データ可用性の問題:5バイトという最小限のデータ使用量で取引を実現
- プライバシーの課題:ゼロ知識証明による取引内容の秘匿化
- スケーラビリティの制限:7,500TPSの処理能力により大規模な取引に対応
開発体制
INTMAXの開発を主導するのは、スイスに本社を置くRyodan Systems AGです。
共同創業者のLeona HiokiとMai Fujimotoは、それぞれ暗号技術とブロックチェーンビジネスの専門家として知られています。
技術開発チームを率いるErik RybakkenとMario Yaksetigは、分散システムとセキュリティの専門家として、Intmax2アルゴリズムの開発に重要な役割を果たしています。
パートナーシップ
INTMAXは、多様な分野でパートナーシップを築いています。
Plat’HomeとのIoTデバイス統合、AI for Uとの人工知能データセキュリティ強化、ナイジェリアのマイクロファイナンス銀行との金融包摂プロジェクトなど、革新的な取り組みを進めています。
特筆すべきは、IdeaSoftとの協働による分散型取引所の開発で、これによりDeFiエコシステムの拡大を目指しています。
今後の展開
2025年第1四半期にメインネットのローンチを予定しており、その後以下の機能の実装を計画しています。
- クロスチェーン取引機能
- AI連携機能
- 高度な分析ツール
- ウェブインターフェースの強化
プライバシーマイニングの参加方法
過去の記事でプライバシーマイニングの参加方法を説明しているので参考になればと思います。
INTMAX Walletの作成
まず、INTMAX Walletのトップページで「Googleで続行」ボタンをクリックします。Googleアカウントを使用してウォレットを作成できます。
使用するGoogleアカウントを選択します。このアカウントがINTMAX Walletに紐付けられます。
選択したGoogleアカウントでINTMAX Walletにログインします。
「次へ」ボタンをクリックして進みます。
セキュリティのため、以下の情報を入力します。
ニックネーム(4文字から20文字)
電話番号(下4桁のみ)
PIN(6桁)
すべての情報を入力したら「次へ」をクリックします。
デバイスにパスキーを設定するための画面が表示されます。「パスキーを登録」ボタンをクリックして進みます。
セキュリティに関する3つの重要な確認事項にチェックを入れます。
すべてにチェックを入れたら「同意します」をクリックします。
以下の条件を満たすマスターパスワードを設定します、
- 12文字以上
- 大文字1つ以上
- 小文字1つ以上
- 数字1つ以上
- 記号1つ以上(&@#%等)
- 一般的なパスワードは使用不可
パスワードを入力したら「続ける」をクリックし、確認画面で再度入力して「OK」をクリックします。
これでINTMAX Walletのセットアップは完了です。
ウォレット画面でアカウントの確認や、設定画面でプライベートキーの表示などが行えるようになります。
プライベートキーを使えばウォレットアドレスをメタマスクなどへエクスポート可能です。
プライベートキーの表示は、「設定」の「プライベートキーを表示する」から行います。
絶対に他人に知られないようにしてくださいね。
以上がINTMAX Walletの基本的なセットアップ手順となります。
ウォレットをサイトに接続する際は「Connect」からWalletconnectのQRコードかURLを使って接続します。
終わりに
INTMAXは、技術革新とパートナーシップの拡大を通じて、Ethereumのスケーラビリティとプライバシーの課題解決に取り組んでいます。
2025年のメインネットローンチに向けて、開発とエコシステムの拡大が着実に進められています。
この記事がINTMAXを知るきっかけになればと思います。