はじめに
この記事では、INTMAXのプライバシーマイニングの方法について実践してみた内容を紹介します。
INTMAXは、Ethereumのステートレスレイヤーであり、スケーラビリティとプライバシーを同時に提供することを目指すプロジェクト。
イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリンもINTMAXに注目しており、自身のブログで何度か言及しています。
プライバシーマイニング:
INTMAXでは、プライバシーマイニングを通じてトークン($ITX)を獲得することができます。
このマイニングは、主にメインネットで行われていましたが、現在はBaseで開始されています。
マイニングの仕組み:
プライバシーマイニングは、匿名性を高めることを目的としており、取引量を増やして紛れさせることで、プライバシーを保護する仕組み。
具体的にマイニングはETHを預けることで行われます。
その際、入金アドレスと出金アドレスを分けて管理することで、プライバシーを保ちながら報酬を得ることができます。
入金アドレスから出金アドレスへの資金移動が誰にも分からないため、プライベートなETHと報酬を受け取ることができます。
ただし、資金を同じアドレスに戻したり、マイニングコントラクトに再入金すると、報酬がもらえないため注意が必要です。
また、短期間に何度も同じアドレスへ入金と出金を繰り返すと、不正な循環とみなされ、報酬が減らされるか、または没収される点に注意が必要です。
マイニング報酬:
マイニングによって得られる報酬は、トークン($ITX)。
$ITXの最大供給量は10億1000万枚に固定されており、6回の半減期があります。
報酬は、マイニングされたETH量に応じて配分されます。
報酬は、2段階に分けて配布され、1/3は2週間後、残りの2/3は3ヶ月後に配布されます。
マイニングの始め方はざっくり以下の流れとなります。
- BaseにETHを用意
- AlchemyまたはInfuraからAPIキーを取得
- INTMAXの公式サイトから、自分のPCに合ったCLI(コマンドラインインターフェース)をダウンロード
- CLIを起動し、指示に従って設定
- 入金アドレスに残高があることを確認(最低0.1ETH)
- マイニングを開始
以下では、実際にマイニングを行った流れを紹介しますね。
BaseのETHを用意する
まず、マイニングに必要なBaseチェーンのETHを準備します。ここではRangoを使ってETHをBaseチェーンにブリッジする方法を説明します。
Rangoにアクセスし、「ウォレットを接続」をクリック。
メタマスクを選択して接続。
Rangoの画面で、送金元チェーンのETH (Ethereum)と送金先チェーンのETH (Base)を選択します。この例では0.107 ETHを送金しようとしています。
送金元と送金先のウォレットアドレスを確認し、「確認する」をクリック。
「スワップを開始」をクリックして送金手続きを進めます。
メタマスクが立ち上がり、トランザクションの詳細が表示されます。ガス代やネットワーク手数料を確認し、「確認」をクリックします。
メタマスクでネットワークをBaseに切り替えます。
Baseを初めて触る場合は、Base Mainnetを追加して下さい。
「承認」をクリック。
イーサリアムが着金していることが確認できます。
AlchemyのAPI keyを入手する
続いて、Alchemyのウェブサイトを開き、”Get your API key”ボタンをクリックします。
ダッシュボードに移動したら、表示されているアプリ一覧から自分のアプリを選択します。
この例では”test’s App”を選択。
画面右上のAPI Keyをコピーして、メモ帳などに一時保存しておいて下さい。
使い捨てアドレスを作成する
続いて、マイニングが終わった際に、ETHの受け取るアドレスを作成します。
このアドレスの秘密鍵をのちに紹介するCLIで入力することになります。
メタマスクで「アカウントを追加」を選択し、アカウント名(例:Account 2)を入力します。
メニューから「アカウントの詳細」を選択します。
「秘密鍵を表示」ボタンをクリックして、秘密鍵を取得します。これはとても重要な情報なので、安全に保管してください。
表示するには、メタマスクのパスワードを入力して下さい。
ボタンを長押しすると表示されますので、メモしておいて下さい。
CLIをPCにダウンロードする
INTMAXのウェブサイトから、最新バージョンのマイニングCLIをダウンロードします。
まず、サイトの”Start Mining”ボタンがクリック。
ファイルのダウンロードサイトには次の手順で表示して下さい。
まず画面を下にスクロール。
Overviewの「this article」をクリック。
画面を下にスクロール。
What you doの1の「from here」をクリック。
自分のOSに合わせたバイナリファイルを選択します。
Windows用、Mac用、Linux用それぞれのバージョンが用意されています。
今回はWindows用を選択しました。
CLIでマイニングをスタートする
PCにインストールしたCLIを起動します。
立ち上がったら、ネットワークとして”base”を選択します。
利用規約への同意を求められるので、”y”を入力して同意します。
RPCプロバイダーとしてAlchemyを選択します。
先ほど取得したAPI Keyを入力します。
(コピペしテクださい。ただし、画面上にはペーストしたAPI Keyは表示されません)
デフォルト設定の使用について質問されるので、必要に応じて”n”を入力してカスタム設定を行います。
ガス代の上限を設定します(例:12 gwei)。
マイニングユニット(デポジット額)を選択します(例:0.1 ETH)。
マイニング回数を選択します(例:1回)。
使い捨てアドレスの秘密鍵を入力します。
使い捨てアドレスが表示されるので、確認したら、パスワード設定をするを選択してパスワードを設定して下さい(確認のために3回入力が求められます)。
画面が切り替わって、マイニングモードを選択すると、プロセスが開始されます。
デポジット用のアドレスが表示されるので、このアドレスにETHを送金します。
メタマスクで「送金」をクリック。
0.1ETHにガス代を少し足した数量を入力して、アドレスを入れたら「続行」をクリック。
「確認」をクリック。
ETHがデポジットされたら自動的にプロセスが開始されます。
あとはマイニング完了まで待つだけです。
この時は23時にデポジットして、マイニングが完了してETHが捨てアドレスに出てきたのが6時35分でした。
最後に
マイニングに使ったETHは出金用の使い捨てアドレスに入金されました。
この時点では報酬の$ITXは支払われず、時間をかけて2段階に分けて配布されることになっています。
- 最初の1/3は、預金後2週間で、ETHの循環が検出されない場合に配布
- 残りの2/3は、預金後3ヶ月で、ETHの循環が検出されない場合に配布
ここで注意が必要なのは、マイニングに使ったETHの循環取引を行わないことです。
ETHの循環取引が検出されると、報酬が削減されてしまいます。
例えば、以下のような流れでETHを取り扱うと削減されてしまいます。
- タイプ1:アドレスA → Intmaxのコントラクト → アドレスB → アドレスA (3ヶ月後に削減)
- タイプ2:アドレスA → Intmaxのコントラクト → アドレスB → Intmaxのコントラクト(即時削減)
要は、入金アドレスと出金アドレスの間に関連性を持たせないというのが重要です。
マイニングは、1回にまとめて行うよりも、分散してマイニングする方が、より多くの報酬を得られる可能性があるようです。
また、「10 times」を選択すると、300倍の報酬が得られるみたいですね。
この記事では、INTMAXのプライベートマイニングの始め方をまとめました。
これから始めたいと思っている方の参考になればと思います。
関連記事