はじめに
NFTをDAOやグループで共同で購入したいと思いませんか?
Prysmを使えば、簡単にNFTを仲間と一緒に購入できるプラットフォームが構築できますよ。
Prysmは、お金を出し合って、仲間と一緒にNFTを購入して管理できるプラットフォームです。
NFTを共同購入するメリットは、個人では買えない高額なNFTを買って、コミュニティで保有できること。
同じ志を持つ仲間とNFTを通じてコミュニティを形成することができますよ。
例えば、Nounsのような高額なNFTを買うことも可能になりますし、DiscordのコミュニティでNFTを共同保有することが想定されます。
PrysmはNFT専用のマルチシグネチャウォレット
Prysmの概要を簡単に説明しますね。
Prysmは「Squad」という単位でグループのウォレットを作成します。
このウォレットはNFT専用のマルチシグネチャウォレット(マルチシグウォレット)になっています。
マルチシグニチャウォレットとは、簡単にいうと複数のウォレットアドレスで管理する共同のウォレットのこと。
このウォレットに複数のウォレット(メンバー)がお金(ETH)を入れて、NFTを購入するといった形です。
また、ウォレットやメンバーの管理、実際にNFTを購入する際には複数のウォレットアドレスの承認が必要と言った設定ができます。
たとえば、Squadにウォレットアドレス3つが登録されていて、NFT購入の際には2つのウォレットアドレスからの承認が必要、といった設定ができます。
専門的なPrysmの仕組みとしては、チェーン上にGnosis Safeが作成されるみたいですね。
PrysmのSquadは、Gnosis Safeの UI およびトランザクションレイヤーの位置付けです。
Gnosis Safeを活用して、操作性と使いやすさを向上させたのがPrysmという感じです。
Gnosis SafeはNFTに限らず、トークンを複数のウォレットアドレスで管理するマルチシグニチャウォレットになります。
Gnosis Safeは過去の記事で詳細をまとめているので参考になればと思います。
Prysmの実例
Pyrsmの実例としては、@ngmigmiや@deadbirds_ioがあります。
@ngmigmiは、3人の小規模のグループで、Squadを見てみると、Lootやmferなどが入っていますね。
@deadbirds_ioは、Moonbirdsを購入することを目的に立ち上げられ、50人以上のグループになっています。
Prysm Squads Access NFTを入手する
PrysmのプラットフォームでSquadを作るには、パスとして「Prysm Squads Access NFT」が必要になります。
このパスはNFTで発行されていて、パスをウォレットに入れて、Prysmに接続することで、Squadを作成することができようになります。
初期の「Prysm Squads Access NFT」は配り終えており、OpenSeaなどな2次流通で購入できます。
また、今はシーズンIIのパスがMint可能になっています。
Mintできるのは、Prysmと提携しているProof、Friends With Benefits、Crypto Packaged Goods、Floor、HUG などのNFTを保有しているウォレットアドレスになっています。
加えて、Prysmの公式サイトにある申請フォームからも「Prysm Squads Access NFT」の依頼を出すことができます。
私の場合、ダメ元で申請フォームから申し込んだら、「Prysm Squads Access NFT」もらうことができました。
詳細は省きますが、他の人が運用するPrysm Squadに参加していたことが幸いした感じです。
(パスを送ってくれたファウンダーのshelby(@realshelbyt)さんに感謝します)
以下にPrysmでSquadを立ち上げて、NFTを購入する流れをまとめました。
DAOやグループでNFTを共同購入する際の参考になればと思います。
PyrsmでSquadを作成してNFTを共同購入する
PrysmでSquadを作成して、NFTを購入するまでの操作は以下の5段階になります。
- Squadを作成する
- Funding Roundをオープンする
- Squadのウォレットに資金を入れる
- Funding Roundをクローズする
- NFTの購入を提案して共同購入する
Squadを作成する
はじめに、MetaMaskでイーサリアムネットワークを選び、Prysmのサイトにアクセスしたら「Connect Wallet」をクリックします。
接続するウォレットを聞かれるのでメタマスク「🦊」をクリック。
ダッシュボードが表示されるので、「Create Squad」をクリック。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
ここからSquadの設定を行います。
「Squad name」には好きな名前を入れてください。
「Mission」は任意で記載が可能です。書かなくてもOK.
「Squad avator」も設定可能なので、ウォレットを特徴付けるアイコンを入れておくと見栄えが良いですよ。
入力し終わったら「Next」をクリック。
続いて、「Contribution range」でETHを入金する際の最低金額と、最高金額を設定します。
また、「Enable NFT deposits」をONにすると、NFTをSquadに入れることができます(今回はOffにしておきました)
設定が完了したら「Next」をクリック。
最後にSquadの設定を再確認したら、「Create squad」をクリックします。
これでSquadの完成です。
上の画面で「View funding round」をクリックして、Founding roundの画面に進んでください。
Funding Roundをオープンする
Founding Roundはメンバーが資金を預けることができる期間になります。
資金を預けることができるのはこのFounding around 中にのみになります。
ちなみに、一度Founding Roundがをクローズしても、後から提案することで、再度Founding Roundを行えるようです。
入金できるのはETHのみとなります。
Funding Roundはオープン、入金、クローズの3つのフェーズからなります。
フェーズを進めるために、Squadのウォレットの設定を行います。
「Activate wallet for deposits」をクリックしてください。
続いて、ウォレットを管理することができる「サインメンバー」のウォレットアドレスの登録を行います。
(初めはSquadの設定などを行うだけなので、サインメンバーは少ない方が良いと思います)
「Add Signing Member」にサインメンバーに加えたいウォレットアドレスを入力して「+Add」をクリックします。
この時は3つのウォレットアドレスをサインメンバーに加えました。
ウォレットの登録が終わったら、「Next」をクリック。
「Signer threshold」でトランザクションを実行する際のサインメンバーの数を設定します。
この時はの設定は2にしました。
この場合、上で3つのウォレットアドレスをサインメンバーに登録したので、そのうち2つのアドレスが承認するとトランザクションが実行される、ということになります。
最後に設定の確認を行なって、間違いなければ「Activate squad wallet」をクリック。
メタマスクが確認を求めてくるので「確認」をクリック。
(ガス代が発生します)
これでSquadのウォレット設定が完了です。
続いて、「Contribute founds」をクリック。
Squadのウォレットに資金を入れる
Squadのウォレットが準備できたので、次は資金をウォレットに集めるフェーズです。
まずFunding Roundに「Open」が表示されていることを確認してください。
この時は、ここまでPrysmを操作してきたPCとは別のPCで使っているウォレットアドレスから入金することにしました。
以下の図の下にある「sharign the link to this page」をクリックしてSquadのアドレスをコピーして別のPCに送ります。
(実際のSquadを運用する際もこの操作でアドレスをメンバーに共有することになります)
別のPCで先ほどコピーしたアドレスをChromeで開いて、右上の「Connect Wallet」をクリックしてウォレットを接続します。
続いてSquadのウォレットに入金するETHの数量を「Contribution amount」に入力して「Deposit」をクリック。
メタマスクが確認を求めてくるので「確認」をクリック。
これで資金の入金が完了です。
DAOやグループの資金を集めるといは各メンバーがこの操作を行うことになります。
Funding Roundをクローズする
次にFunding Roundをクローズする手続きになります。
Founding Roundをクローズすると資金は入れられなくなるので注意してくださいね。
(もう一度オープンする手続きを踏めば追加資金を入れることは可能です)
ダッシュボードの「Proposals」タブで「Add proposal」をクリック。
左のメニューで「Funding」を選択して「Close funding round」をクリック。
「Squad valuation」で入金されているETHの数量や、「 Contributions」で入金したウォレットアドレスを確認して、「Propose」をクリック。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
続いてFunding Roundのクローズ提案を承認する段階に進みます。
ここからはトランザクションを実行する必要があるので、2つのウォレットアドレスから承認を行います。
まず1つ目のウォレットアドレスで「Approve」をクリック。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
続いてもう2つ目のウォレットアドレスで「Approve」をクリックします。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
これで2つのウォレットアドレスで承認が得られたので、Fundig roundがクローズしました。
最後にいずれかのウォレットアドレスで「Close funding round」をクリックしたら完了です。
NFT購入を提案して共同購入する
いよいよNFTを購入する段階です。
Prysmで購入できるNFTは、Gem.xyz がサポートするマーケットプレイス (OpenSea、X2Y2、LooksRare) にリストされている NFTになります。
まずNFTを購入の提案をするために、ダッシュボードの「Proposals」で「Add proposal」をクリック。
左のメニューから「NFTs」を選択して、「Buy NFT」をクリック。
Buy NFTの画面の「NFT URL」には購入するNFTがあるOpenSeaなどのURLを入れます。
この時は、CNPJのMitamaにしました。
OpenSeaで目的のNFTのサイトに行ったら、下の画像の「Copy Link」をクリックして購入するNFTのURLをコピーしてください。
先ほどコピーしたURLをBuy NFT画面の「NFT URL」に貼り付けて、「Propose Purchase」をクリック。
なお、貼り付けたURLの末尾に「/」が入っていると正しく認識しなかったので、削除しました。
NFTの購入のためのトランザクションの承認を求められるので、「Approve」をクリック。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
(署名だけなのでガス代発生せず)
続いて、別のウォレットアドレスで「Approve」をクリック(この時は別PCで操作しました)。
メタマスクが署名を求めてくるので「署名」をクリック。
これで購入できるようになったので、いずれかのウォレットアドレスで「Purchase」ボタンをクリックします。
メタマスクが確認を求めてくるので「確認」をクリック。
(この時に購入のガス代が発生します!)
これでNFTの購入が完了です!
購入したNFTの確認はダッシュボードの「Home」で行います。
で、ここでトラブルが発生しました。
購入に使用されたETHは減っていたんですが、SquadにNFTが表示されなかったんです。
トランザクションは完了しているのですが、Squadのダッシュボードにいつまで経ってもNFTが表示されませんでした。
はじめはSquadがデータを取れていないだけかと思い、「Refresh NFTs」を繰り返してもNFTはSquadに表示されませんでした。
で、prysmのDiscordで運営に問い合わせを行うと、どうやらSquad側にトラブルがあったようで、すぐに問題を解決してもらえました。
こちらが購入したNFTが表示されたダッシュボードの様子です。
初めてPrysmで購入した記念の1枚になりました。
ちなみに、トラブルの途合わせは、prysmのDiscord内にある「#service-desk」で行いましたので、流れを紹介します。
まずは左メニューから「#service-desk」を選択します。
「#service-desk」内のチャットで「Create ticket」をクリック。
Ticketの番号が発行されたことを確認してください。
この時は「#ticket-0610」でした。
次に、Discordの左側一番上に発行されたticketと同じ番号の「#ticket-0610」というチャンネルが画面左側のメニュー上部に表示されるので、クリックしてそちらのチャットに入って、質問すれば担当がチャットで返信してくれました。
トラブルへの対応は半日かからなかったので、素早い対応に信頼感がアップしましたよ。
prysmで何かトラブルがあった場合は、Discordで問い合わせてみてくださいね。
最後に
この記事では、PrysmでSquadを立ち上げて、NFTを購入する流れをまとめました。
Squadのサインメンバーの変更や、メンバーの削除、NFTの送付、ETHからWETHへのスワップなどもProposal(提案)を通して行うことができます。
PrysmのProposalで実行できることが多いので、NFT専用ウォレットとしての自由度は高いですよ。
また、サインメンバーとは別に、承認権限を持たない非サインメンバーも登録可能です。
非サインメンバーは、資金を提供するだけで、承認権限は持たないというメンバーになります。
Squadのウォレット運用に関する議論はサインメンバーと非サインメンバーがDiscordなどのコミュニティの中で行い、サインメンバーが代表としてSquadのウォレットを管理するという感じですね。
サインメンバーが多くなると、1つのProposalの承認に時間がかかることになるので、メンバーが多いグループは、サインメンバーと非サインメンバーに分けて、少数のサインメンバーで運用した方が良さそうです。
なお、NFTの売却益を分配する際は、Squadに入れたETHの量と、Squadに入っている全ETHの割合で決まります。
分配について、詳しい内容はprysmのサイトに掲載されていますよ。
実例も示されているので覗いてみてくださいね。
→https://docs.prysm.xyz/member-equity/how-is-equity-calculated
ちなみに、Prysmは個人でウォレットアドレスを複数持つことで、NFT専用マルチシグニチャウォレットとして使るので、NFT保管用のマルチシグネチャウォレットとしても利用価値はありそうですよ。
なお、Prysmの利用は無料です。
現在、プラットフォームの使用料や、Squadを立ち上げて運営するためのアクセスNFTの提供料は一切発生しない形ですね。
Passの二次販売によるロイヤリティも一切取っていないです。
Prysm Squadsを利用する際に発生するコストは、トランザクションのガス代のみになっています。
この記事がこれからDAOやグループでNFTを共同購入する際にprysmを使用する参考になればと思います。
- HP:https://www.prysm.xyz/
- 詳しい解説:https://docs.prysm.xyz/getting-started/what-is-prysm-squads
- ツイッター:@prysm_xyz
- Discord:prysm
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