はじめに
釣り人を悩ます自然の条件は風、雨、気温。
自然を相手にしていると必然的に釣行日に悪天候が重なり、釣りをするか迷うことがあると思います。
特に秋は台風の季節でもあるので強風に悩ませられることが多くなりますね。
風対策に一番効果が期待できるのは風裏の釣り場に行くこと。
北風なら北に山、南に海がある場所。
あとは周りが山に囲まれている釣り場となります。
ただし、天気予報で風向きを把握しても、
釣り場の実際の風向きは異なりますし、
どうしても風裏ではない場所で竿を出さざる得ない場合があります。
そんな時にどうするか?
悪天候の中で数多く釣りをしてきた経験からの結論は、
爆風の中で釣りをするノウハウを習得すれば問題無しです。
アイテムを揃えて、心の準備さえできれば、
爆風に向かって団子を投げることもできてしまいます。
私の釣りは紀州釣りですが、
ここではできるだけ他の釣りにも応用ができるように紹介しています。
追い風の釣り座を選ぶ
風の強い時にまずやるべきことは、当日の現地の風向きを把握することです。
風向きや風速は色々なサイトやアプリで調べることができますが、
どれも同じということではないのでいくつかのサイトを参考にして判断します。
個人的によく利用するのは、ウェザーニュースとWINDYです。
この2つはスマホアプリもあるので便利です。
そして、風向きを把握したら、できるだけ向かい風にならない、
追い風になる釣り座を選ぶことが基本になります。
追い風の釣り座ではある程度、普段の釣り方で対応できますが、
向かい風になるといつも以上いに風への対策が必要となってきます。
どうしても追い風の釣り座を選べない時には以下のノウハウが参考になります。
IMガイドは必修アイテム
強い風が吹く中で一番厄介なのがラインが竿に絡まること。
頻繁にラインが竿に絡まると釣りになりません。
そして絡まった時、いかに素早く絡みをとるか。
竿にラインが絡む一番の原因はガイドです。
IMガイドなら普通のガイドよりも明らかに絡みにくく、
絡みを素早くとることができます。
IMガイドは糸絡みを軽減させるための「傾斜」が特徴です。
チヌ釣りを始めてから初めてIMガイドに出会ったのですが、
糸絡みが素早く取れることを実感した時は感動ものでした。
IMガイド付きのロッド購入するのが一番良いのですが、
IMガイドだけを購入して自分のロッドにつけるというやり方もありますね。
私が愛用している「チヌ競技スペシャルIII」はもちろんIMガイド仕様です。
なお、ライン絡み対策だけだとインナーガイドロッドを使用する手もありますが、
優れたロッドを強風の中でも使用するという観点から、今回の記事でインナーガイドロッドは除外しています。
道糸の操作にコツがあります
IMガイド付きロッドでラインが絡みにくくなったとはいえ、仕掛けを海に投げる時は注意が必要です。
紀州釣りの団子を投げる上で、普段は少しでも道糸とガイドの摩擦を抑えるために道糸を竿先から多く出すのですが、
風が強い時は竿先から出す道糸の量を極力抑えることがコツです。
なぜなら、竿先から出ている道糸は風に煽られて岸壁に付着している貝や、穂先に絡むからです。
特に向かい風の時はウキ止めが穂先から少し出る程度に抑えて、素早く団子を投げることが重要となります。
穂先は海面下へ
道糸操作のコツの続きになりますが、強風の中で仕掛けを海に投入した後、
いつも通りに仕掛けを思ったように流すには、穂先から海面の間にある道糸が風に影響されないことが重要です。
そのためにどうするか?
穂先を海面下に沈める。
この操作をしているか、していないかで強風の中で釣りが成り立つかが決まります。
目的は強風の中でいつものように釣りをすることなので、
仕掛けが風に引っ張られていると、いつもと違う動きをしてしまうので、
魚がいても釣れません。
仕掛けが風に引っ張られないようにするにはどうしたら良いか?
海上に出ている道糸を海面下に全て沈めれば良いことになります。
そのために穂先を海面へ沈めて、
吹いている風に煽られる道糸を可能な限り海面下に沈ませる。
これが強風対策の最重要操作の一つとなります。
タナはハワセが基本
風対策で重要なのはこれまで書いてきたように、
仕掛けが風に引っ張られないこと。
底を狙う紀州釣りに限ると、タナはハワセが基本になります。
海面は波が高くなっているので、
ウキが波に乗ると必然と仕掛けが引っ張られます。
こんな状況で棚をトントンに合わせていると
団子が割れた後にウキが波に引っ張られれて刺し餌が団子から離れてしまいます。
これを防ぐためにタナをハワセ気味にして、
ウキが波に引っ張られても海面下の仕掛けに影響が出にくくすることが重要となります。
道糸はサスペンドタイプ
波の影響を受けないようにするために
道糸はできるだけ海面に浮かせないのが重要となります。
使用する道糸のタイプについて、
フロートタイプを使用すると波に道糸が乗ってしまうので、
結果的に仕掛けが引っ張られてしまいます。
そこで使用するラインタイプは必然とサスペンドタイプ
あるいはシンキングタイプになります。
紀州釣りの場合はサスペンドタイプとなります。
シンキングタイプは軽い仕掛けには向かないですが、
流れが早い場所の釣りでは使用されている方もいるようですね。
オススメのラインは「ブラックシーブリーム 紀州釣り」です。
寝ウキを使用
強風時に棒ウキを使用していると、
風で不規則に揺れたり、煽られたりするので
必然と仕掛けが引っ張られてしまいます。
そこで、直接に風を受けにくい寝ウキが基本となります。
玉ウキは一番風の影響を受けないと思いますが、
個人的には波が高い状況では視認しづらくなるので使用していません。
竿置きはクーラーボックス装着タイプ
強風時にずっと竿を持っていると普段よりも体力を消耗するので、
安定した竿受けは強風の中で長時間の釣りをする場合の必修アイテムとなります。
三脚タイプの竿置きは風で倒れることが容易に想像できるので
強風時の使用には向かないと思います。
加えて、三脚タイプは竿先が上に向くので、
道糸が風の影響を直接受けてしいます。
強風時には竿を下に向けることが基本となるので、
クーラーボックスに直接装着するタイプの竿置きがベストです。
私の場合はこんな感じでクーラーボックスに竿受けを着けています。
クーラーボックスの中には餌や氷が入っているので重さは十分。
背も低いので風に対しての安定感は抜群です。
偏光グラスで目の保護
紀州釣りを強風の中でやっていると団子の材料が風で舞って目に入ることが多々あります。
私はハードコンタクトをつけているので、偏光グラスを着けていないと必ずと言っていいほど目にゴミが入って、コンタクトを外す羽目になります。
紀州釣りに限らず他の釣りでも風で飛ばされてきたホコリが目に入ることはよくあることなので、目を保護する偏光グラスは必修アイテムとなります。
寒さ対策
風対策の道具を揃えて技術を身につけても
釣り人が精神的に風に負けてしまっては釣りを続けることはできません。
強風に慣れるのがまず大切。
その上で風による体温低下を防ぐ防寒具が必修アイテムになります。
私の場合はレインコートを常に携行しています。
レインコートを羽織ると風を通さないので秋の防寒具としては最適。
フードがあるタイプであれば首回りの寒さ対策にもなります。
雨対策にもなり一石二鳥で重宝しますよ。
私が使用しているのはモンベルのストームクルーザージャケット。
アウトドア専門ブランドのレインコートなので釣りにおける寒さ対策、
雨対策に抜群の威力を発揮しています。
まとめ
心頭を滅却すれば火もまた涼し
どんな苦痛であっても、心の持ち方次第でしのげるという教え。
どんなに強い向かい風であっても、
心の持ち方次第、アイテムの準備次第で魚は釣れると信じています。
私もまだまだ修行の身。
私が風対策として持っている知識、技術を公開しましたが、
他にも風対策の良い方法があると思います。
車横付けの釣り場であれば、風上に車を置くと風をしのげますし、
追い風になる釣り場で釣りをすることも風対策になります。
これからもっと技術を向上させてどんな悪天候でも
チヌを釣ることができるようになりたいと思っています。
なお、強風時の釣りは危険が伴いますので、
周囲の状況に気を付けて、海への落下防止、ライフジャケットの装着を勧めします。
加えて、強風で道具やゴミが飛ばされやすくなりますので
普段の釣り以上にご注意ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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