投資における「リスク」と「リターン」の考え方〜リスクを正しく理解しないことが最大のリスク〜

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はじめに

釣り三昧な生活を実現するために実践している投資の考え方を紹介する記事シリーズ。

今回は投資のリスクとリターンの関係について紹介します。

投資のリスクを考えることはリターンを考えることと同様に大切です。

リスクというと、「危険度」のようなイメージがあると思いますが、投資のリスクとは「リターンの変動」を意味します。

では変動とは何かというと、その名の通り変化して動くことです。

購入した資産の評価額が動くことを示しています。

例えば、購入した株の評価額が日々、変化していることを示しています。

正しい投資の知識を知るには、まず、リスク=危険度ではないことを知ることから始めましょう。

リスクは標準偏差

投資の世界ではこのリターンの変動(リスク)を統計用語である「標準偏差」を使って表します。

「標準偏差」とは値のブレの大きさを表す指標で、標準偏差が大きいほど、ブレ幅が大きいこと、リスクが高いことを意味します。

一般的に、リスク(標準偏差)が小さいと得られるリターンも小さく、リスクの大きな資産は高いリターンが得られると言われています。

下のグラフはGPIFが「期待リターン」と「リスク(標準偏差)」の関係を、主な資産ごとに比較したものです。

引用元:GPIF

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人):国民から集めた国民年金、厚生年金の保険料の積立金を運用している機関。

グラフを見ると、外国株式や国内株式は期待リターンが高い一方、リスク(標準偏差)も高く、外国債券や国内債券は期待リターンが株式より低く、リスクも低くなっていることがわかります。

国内債券に関しては、リスクはかなり低いですが、期待リターンが1%を割っている状況ですね。

もう少し具体的にリスク(標準偏差)について理解すると、リターンとリスクの関係がわかりやすくなります。

上のグラフの日本株式の具体的な数値は、期待リターンが5.6%、リスク(標準偏差)が23%です。

説明を省いて結論だけ示すと、「期待リターンは±2×標準偏差の範囲に95%の確率でおさまる」ことになります。

日本株式の1年間のリターンは、下の計算から-40.5%から51.6%の範囲にほぼほぼおさまることになります。

最大リターン:5.6% + 2×23% = 51.6%、

最小リターン:5.6% – 2×23% =-40.4%

したがって、個人投資家として、日本株式に投資すると、最悪の状況になった場合、1年間で資産が−40.4%になるリスクを許容できるか?ということを考えることになります。

もし、仮に日本株式だけで資産を運用する場合、−40.4%の含み損を抱える可能性があり、これを許容できないのであれば、投資すべきではないという判断になります。

100万円を投資して、40.4万円まで自分の資産が減るのを許容できますか?

もちろん、株式を売却しない限り、損は確定しないので、市場の回復を待っていれば、含み損は減少する可能性があります。

それでも、1年間で4割まで資産が減るのは許容できないと考えた人はちょっと待ってくださいね。

長期投資でリスクは低下する

上では1年間のリスク(標準偏差値)を示してきましたが、長期運用するとリスクは低くなることもわかっています。

下のグラフは、1、5、20年のリターンの分布(リスク)を示していて、長期投資するとリターンの幅は小さくなり、マイナスになる確率が低くなることがわかります。

引用元:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン

例えば、外国株式の20年ではプラスになっていることがわかります。

これが長期投資の一番重要なメリットです。

短期の運用だと資産が減る可能性がありますが、長期運用することでリスクが低減され、結果として、資産は増える可能性が高くなります。

まとめ

個人的に、日本株式や外国株式などを組み合わせた資産がリーマンショック時に半分近くになりましたが、投資をやめることなく続けてきました。

それは、ここで示したリスクがどのようなものかを知っていて、一時的な含み損は許容できると判断していたからです。

そして何よりも、長い目で見るとリターンはきっとプラスになると理解していたからです。

一時的に大きな含み損をかかえても、その後は回復すると信じていれば、投資をやめることなく、許容できるはずです。

また、現金で持っているだけでは、インフレによる実質的な価値の下落、円安による円の下落には対応できません。

リスクを取っていないと、知らず知らずのうちに資産が減っていたということに陥りかねません。

今は政府・日銀がお金をジャブジャブにする政策を取っているので、必然的にお金の価値は減って行く方向にあります。

リスクを理解することで、自分の資産がどこまで減るかを知っていれば、焦ることなくリターンが見込める投資を進められるはずです。

リスクを取った者がリターンを得られる。

言い換えると、リスクを正しく理解した者がリターンを得られる。

リスクを理解しない者はリターンが得られない。

リスクは正しく理解すれば、投資は思ったほど怖くないことがわかります。

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