貨幣の歴史とビットコインの仕組み

これまで、仮想通貨の技術や市場動向、応用事例など、やや専門的な内容を中心に記事を執筆してきました。

しかし、仮想通貨の魅力やその本質をより多くの人に理解してもらうためには、基礎的な知識を改めて整理し、わかりやすく伝えることも重要だと感じています。

そこで、貨幣の歴史から始め、法定通貨とビットコインの違い、ブロックチェーン技術の仕組みなど、初心者の方でも理解しやすい内容を複数の記事にまとめていこうと思います。

仮想通貨に詳しい方にとっては復習の機会となり、初めての方にとってはスムーズに学べる入門編となるよう心がけています。

基本をしっかり押さえることで、今後のより深い内容の理解につながるはずです。

仮想通貨の世界への第一歩を踏み出す一助になれば幸いです。

Table of Contents

1. 貨幣の歴史と法定通貨

昔は、米や塩などの「物々交換」が主流でした。しかし、欲しいものをお互いがちょうど持っているとは限らず、とても不便でした。

そこで登場したのが「貨幣」です。最初は貝殻や石、金・銀などの「価値があるとみなされたモノ」が貨幣として使われました。

近代になると、金（ゴールド）の裏付けがあるお金（紙幣）が使われ、金と紙幣を交換できる「金本位制」が一般的でした。

しかし、戦争や世界大恐慌などの影響で金本位制を維持するのが難しくなり、多くの国で「法定通貨（フィアット）」が使われるようになりました。

法定通貨とは、政府や中央銀行が「これがお金ですよ」と法律で定めた通貨です。

日本円、アメリカドル、ユーロなどが法定通貨です。

法定通貨は、国や中央銀行の政策で新たに刷ったり、経済状況に合わせて供給量を増やしたりできるのが大きな特徴です。

ただし、通貨の発行量が増える（すなわちお金の枚数が増える）と、需要と供給のバランスによってお金1枚あたりの価値（購買力）が薄まることがあります。

このようにお金の価値が下がり、モノの価格が上がってしまう現象をインフレ（インフレーション）と呼びます。

2008年のリーマンショックをきっかけに、「国や銀行に左右されない新しい通貨」の必要性が注目されました。

その結果、2009年に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物（または集団）によってビットコインが運用開始されました。

ビットコインは「ブロックチェーン」という技術を使い、取引データを改ざんできないように管理しています。

世界中のコンピューターがネットワークに参加し、分散してデータを記録・検証する仕組みです。

ビットコインは、最終的に2,100万BTC（ビットコイン）という発行上限が設定されています。

これ以上は発行されないため、法定通貨のように「刷りすぎて価値が薄まる」リスクは理論上低いとされています。

取引所に口座を開設：bitFlyer、Coincheckなどの国内取引所や、Binanceなどの海外取引所があります。

本人確認が必要なので、運転免許証などの身分証明書を用意します。

購入したビットコインは「ウォレット」と呼ばれる保管場所に入れるのが一般的です。

ビットコインはまだ歴史が浅いこともあり、ニュースや国の規制によって大きく価格が動きます。

自分でウォレットを管理する場合、パスワードや秘密鍵を紛失すると取り戻せないケースがあります。

法定通貨は、国や中央銀行が必要に応じて増やすことができ、供給量が増えるとお金の価値が薄まり、インフレを引き起こす場合があります。

ビットコインは、ブロックチェーン技術によって中央管理者を置かない仕組みを実現し、発行上限を設けることで「通貨が増えすぎて価値が下がる」リスクを抑えようとしています。

ビットコインを「何のために持つのか」を考えながら、まずは少額から始めては以下がでしょうか。