【図解】海外取引所とクロスチェーン送金の現状〜BINANCE依存を脱却する方法〜

Pocket
LINEで送る

はじめに

DeFiを触っていると、資金の送金がバイナンス(BINANCE)依存になっていませんか?

BINANCEは取引できる通貨やネットワークが多くて便利ですよね。

一方、BINANCEへのアクセスが制限された時の対応を準備しておく必要性も出てきていますよ。

というのも、最近、BINANCEが規制を意識して動いています。

本人認証無しのアカウントでは、出金が2BTC/日から0.06BTC/日に変更されました。

既存のユーザーも8月4日から23日にかけて段階的に適用されるとのことです。

出金制限の変更の他にも、先物レバレッジ倍率の上限変更など、規制に対応する動きが続いています。

このような状況でBINANCEへの依存が高い運用をするリスクが高くなっていると感じている人は多くなっています。

日本ユーザーの口座が使えなくなったり、日本からのアクセスが制限されてしまう可能性はゼロではない状況です。

そこで、この記事では現在のBINANCEを介してイーサリアム、BSC、Polgyon、Fantomを利用する際の資金の送金経路をまとめました。

そして、万が一BINANCEにアクセスできなくなった場合に備えて、他の海外取引所を利用した資金の送金の経路を検討しました。

結論から言うと、BINANCEが使えなくなっても、他の海外取引所を組み見合わせれば、BINANCEと同じように資金の送金が可能です。

そして、BINANCEに限らず、海外取引所が日本国籍のアカウントを制限したり、日本からのアクセスを制限するような非常に厳しい状況になった場合でも、VPNを使って本人認証を行わないアカウントで取引を継続することは可能です。

これまでBINANCEだけ利用している人が、他の海外取引所やVPNを利用し始める際の参考になればと思います。

合わせてネットワーク間のクロスチェーン送金についてもまとめましたので、資金の運用の幅を広げる参考になればと思います。

国内からBINANCEを経由する送金とクロスチェーンの現状

国内の取引所からBINANCEを経由してイーサリアム、BSC、Polygon、Fantomを利用する場合の資金の流れと、各ネットワーク間のクロスチェーン送金を下の図にまとめました。

(私が利用している内容を中心にまとめたので、漏れているクロスチェーンや通貨があると思います)

国内取引所から各ネットワークに資金を送金する場合、BTC、ETH、XRPなどを一旦BINANCEに送金して、そこからさらに各ネットワークに送金する流れがメインになります。

国内から直接ネットワークに送金できる通貨としては、ETH(イーサリアム)とJPYC(ERC20、Polygon)。

DeFiを触る上でBINANCEを利用するメリットとしては以下の3点が挙げられます。

  • 送金できるネットワークが多い
  • BSCへ直接送金できる通貨が多い
  • BTC→WBTCのブリッジに対応してしている

BINANCからの送金は、イーサリアム、BSC、Polygon、Fantomの他にもSolanaなど多くのネットワークへの送金が可能です。

BTCやETHはガチホして売らずに運用したいので、BINANCEからBSCに直接送金できるのは便利ですね。

また、PolygonでBTCを運用する場合は、WBTCへの変換が必要になるので、BINANCE BridgeでBTCからWBTCにできるのも便利です。

各ネットワークからのクロスチェーン送金も充実してきていて、Anyswap、Supra、xPollinate、O3SwapがUSDCなどのステーブルコインに対応しています。

AnySwapを使えばUSDCを各ネットワークに送金できますし、O3SwapはイーサリアムとBSC間のETHやWBTCの送金にも対応しています。

AnyswapのBSCとPolygon間は、TITANブームの頃からよく使うようになりました。

クロスチェーンが充実してきているので、資金を一旦送金すれば、ネットワークをまたいだ運用が可能な状況です。

このような状況の中、送金手段としてBINACEだけ使っていると、万が一BINANCEを利用できなくなった際、資金の送金が滞るというデメリットがあります。

BINANCEが利用できなくなった時の送金手段

DeFiを触る時にBINANCEは非常に便利なんですが、万が一BINANCEへのアクセスができなくなった場合、下の図のように各ネットワークへの送金手段は非常に限られてしまいます。

国内からのブロックチェーンへの送金は、ETHをイーサリアムへ送金、あるいはJPYCをイーサリアム、Polygonへ送金できるだけになってしまいます。

逆にETHだけでなくJPYCも選択肢としてあるのは安心材料と考えられますが、JPYCの用途は限られているので、資金の回収面ではかなり限定されてしまう状況です。

ETHは将来の価格上昇や税金のことを考えると、売却することは控えたいですよね。

ちなみに、JPYCの購入方法はこちらでまとめていますので参考になればと思います。

BINANCE以外の海外取引所を経由する送金手段

次に、BINANCEへのアクセスができなくなった場合に、他の海外取引所を使って運用を継続することは可能か?という観点で送金手段を下の図にまとめました。

結論から言うと、BINANCEが使えなくなっても、他の海外取引所を組み見合わせれば、以下の図のようにBINANCEと同じく資金を送金できます。

クロスチェーン送金も組み合わせれば、BINANCEを利用しなくても資金の運用が可能なのがわかります。

ただ、各海外取引所が対応している通貨とネットワークを調べると、BINANCEの代わりとなる海外取引所は、1つだけでは不十分で、複数組み合わせる必要がありることもわかりました。

特に、BTCを国内から直接送金して、BTCをWBTCに交換できる取引所は、CoinListくらいしかないのが現状です。

以下に各海外取引所が対応している通貨とネットワークをまとめました。

FTX

  • BTC:BTC, SPL
  • WBTC:ERC20
  • ETH:ERC20, SPL
  • USDC:ERC20, SPL
  • USDT:ERC20, TRC20, SPL
  • BUSD:ERC20, BEP20, BEP2
  • BNB:BEP20, BEP2
  • MATIC:Matic
  • FTM:Fantom
  • SOL:Solana

Matic、Fantom、Solanaへの送金に対応しているのが特徴ですね。

Ascendex

  • BTC:BTC, FIO
  • ETH:ERC20, FIO
  • USDC:ERC20, Matic, SPL, FIO
  • USDT:ERC20, TRC20, SPL, Omni
  • BNB:BEP20, BEP2, FIO
  • MATIC:ERC20, Matic, FIO
  • FTM:Fantom, ERC20
  • SOL:Solana, FIO

Matic、Fantom、Solanaへの送金に対応していることに加えて、USDCのMaticへの送金に対応しているとこが便利です。

また、BNBのBEP20へも対応しています。

MEXC

  • BTC:BTC, BEP20, TRC20
  • WBTC:ERC20
  • ETH:ERC20, BEP20, TRC20
  • USDC:ERC20, Matic, SPL, ALGO
  • USDT:ERC20, Matic, TRC20, SPL, Omni, HECO, EOS, ALGO
  • BUSD:ERC20, BEP20
  • BNB:BEP20, BEP2
  • MATIC:ERC20, Matic(確認時入金のみ)
  • FTM:ERC20
  • SOL:Solana

BTC、ETH、BUSDのBEP20での送金に対応しているのが便利です。

MaticとSolanaにも対応しています。

BHEX

  • BTC:BTC, BEP20, HECO
  • ETH:ERC20, BEP20, HECO
  • USDC:ERC20
  • USDT:ERC20, BEP20, TRC20, Omni, HECO
  • BUSD:BEP20
  • BNB:BEP20

BTC、ETH、BUSDのBEP20での送金に対応しているのが便利です。

BINANCEの代わりの取引所で、BSCへの送金だけなら、BHEXが有力ですね。

CoinList

  • BTC:ERC20
  • WBTC:ERC20
  • ETH:ERC20
  • USDC:ERC20
  • USDT:ERC20
  • SOL:Solana

SOLのSolana対応以外は、ERC20のみと対応ネットワークは少ないのですが、CoinListの便利なところは、BTCをWBTCにできることです。

これだけでも口座を開設するメリットありです。

CoinListでの口座開設やWBTCの入手方法はこちらの記事で紹介しているので参考になればと思います。

日本からのアクセス制限を回避する方法

取引所を組み見合わせれば、BINANCEを利用できなくても資金の送金の送金が可能であることがわかりました。

ただ、BINANCEに限らず、その他の海外取引所へのアクセスが制限された時はどうするのか?

この問題は深刻です。

日本からのアクセスが制限されるのは以下の2通りが想定されます。

  • 本人認証した日本国籍を制限された場合
  • 日本からのアクセスを制限された場合

それぞれの場合で、どのように対応して資金の運用を続けるかをまとめました。

結論的には、VPNを使って本人認証(KYC、Know Your Customer)を行わないアカウントで取引を行うことになります。

本人認証した日本国籍を制限された場合

日本国籍の本人認証でアクセスが制限された場合、そのアカウントを使い続けるのは難しく、別に本人認証をしないアカウントを作成することが想定されます。

その場合に問題になるのが出金できる金額です。

各取引所における本人認証無しのアカウントの出金制限額をまとめました。

ある程度の金額であれば、本人認証無しのアカウントでも出勤できるので、大きな金額を動かす投資家さん以外、すぐ運用に影響する可能性は低いと思われます。

BINANCE

  • 本人認証無し:0.06BTC/日
  • 本人認証あり:100BTC/日

出金制限が厳しくなったBINANCEですが、1BTC4,000,000円だとすると、240,000円は可能です。

FTX

  • レベル0 メールアドレス 出金上限1,000USD(合計)
  • レベル1 国、氏名、生年月日、出身地、住所 出金制限 2,000USD/日
  • レベル2 パスポート、あるいは政府発行の身分証明書 出金無制限

Ascendex

  • V0 2BTC/日
  • V1 名前と免許証あるいはパスポート2BTC/日(手数料優遇)
  • V2 100BTC
  • V3 無制限

MEXC

  • V1 メールアドレス、電話番号 出金制限0.7BTC/日
  • V2 国籍、氏名、身分証明書 出金制限20BTC/日(最大2,000BTC)

日本からのアクセスを制限された場合

日本からのアクセスが制限された場合は、VPNを使えば解決できます。

具体的には、VPNを利用して、国内から海外のサーバーを経由することで、日本からのアクセス制限された取引所にも接続可能です。

VPNに関しては以下の記事にまとめましたので、参考になればと思います。

最後に

BINANCEが使えなくなっても、他の海外取引所を組み合わせれば、運用の継続は可能です。

CoinListに加えて、BSCやMaticに対応した取引所の口座を複数持っていれば、万が一の時にも慌てずに対応ができます。

BINANCE以外の取引所では、通貨ごとに対応している送金ネットワークが異なるので、目的にあった取引所の口座を早めに開設しておくことをオススメします。

いざとなってから口座を開設を始めても、すぐに対応はできませんからね。

各取引所の口座開設方法は以下の記事でまとめているので、気になる取引所があれば参考になればと思いいます。

オススメ記事

Pocket
LINEで送る

フォローする